こんたのおつかいって、5歳か6歳かの人間の子供がはじめて買い物にいったという隠喩が混じっているのですね。それも「ただ」のはじめての子供の買い物じゃ面白くない。母親と一緒の「はなのみち」つまり人間で行ってみれば、明るい花屋やパン屋や交番がある人通りの多い治安のいいところ、一方「もりのみち」って変なおじさんがでてきそうな公園の奥とか、道の狭い、外国で言うならスラム街といった治安の悪いところじゃないかなと思います。実際こんたのおつかいでこんたは母親のいいつけを破って、もりのみちに行っているから怖いてんぐやおににあっています。それらは怖いおじさんたちの隠喩で、かなり危ない目にあったのだと思われます。
それをきつねを主人公にして、ややリアルをぼやし、てんぐとかおににして怖いおじさんもややリアルをぼかしたのだね。
でも、一度怖い思いをしたこんたこんたはひとりで買い物をし、怖い思いをしたのだから、こんたはもうもりのみちには一人ではいかないと思う。こんたは買い物を経験し、母親が危ないといったことを身をもって経験し、外面ではわからない成長をしたと思う。