「一生懸命せいだして、早く一番わるい泥棒になるよう勉強する」泥棒養成学校のお話です。
緞帳だの、大入り袋だのが描かれた最初のページ。
「いったい何が始まるのだ?!」と期待をもたせます。
登場する泥棒たち、ちょっとおどろおどろしい絵なのですが、さすがはかこさん。
なぜか、愛らしさ(かわいくないはずだけど)がただよう絵です。
そろって、おまぬけなのが、また何ともいえない!
宿題は、もちろん泥棒関係。
生徒に「何か盗んで来い」といわれれば、
自宅の靴だの、虫の卵だの、ろくでもないものばかり。
くまさかせんせい、さぞかし頭が痛いでしょう…
と思いきや。
おまぬけナンバー1なのは、実はこの先生だったりするのです。
文章のテンポが非常によいですね。
話の起承転結も、くっきりしていて、お見事!
かこさんの手腕が光っている絵本です。
くまさかせんせい、モデルは熊坂長範なんでしょうか?
思わず見得を切ったお姿には、「○○屋!」「△△代目!」と声をかけたくなります。
反面、最後のおまわりさんが、「極悪人」に見えてしまう私なのでした。