エリック・カール氏の最新作「Mister Seahorse」(=たつのおとしごのおとうさん)ですが、パパ’s 絵本プロジェクトのテーマにぴったりの内容ですよ!
虫、動物たち……など自然界をテーマに絵本制作を続けてきたカール氏の今度の作品は、海の生態をテーマにしたもの。たつのおとしごはオスが子供を産むことで知られていますが、この絵本でたつのおとしごのお父さんが出会う他の海の生き物たちも(なんと!)みなお父さん。それぞれ子供の卵を守っていたり、世話をしていたり……とお父さんたちが子供や家族を大切にしている事実が描かれます。
オスが産卵や孵化に協力している生物って、たくさんいるのですね。この自然な姿勢は、人間界に置き換えたらとても象徴的です。子供を思う気持ちや行為は父親、母親に限らず、「こうでなきゃいけない!」というのではなく、こういう風に自然なことなんだとあらためて感じました。お話の展開はシンプルかもしれませんが、そこに描かれる世界を垣間見るだけでも十分でした。
各見開きページには透明シートがはさまれ、海の透き通った美しさを演出するちょっとした仕掛けも施されています。
これ、邦訳されたら、パパ’sのバイブル的絵本になりますね! あまりのタイミングのよさに本屋さんで感動してしまいました。父の日のプレゼントとしても最高だったなあと思いました。(これにすればよかったな……。歴史の本にしてしまいました。)