暑い暑い夏のある1日のお話です。
お兄ちゃんもいない、1人ぼっちの日、男の子が、1人でクワガタを取りに行くお話。
わきあがる入道雲と青い青い空。
影のコントラストが、ほんとに暑い暑い1日を思わせる。
海の青と、空の青、そして、まっしろい雲、広がる田んぼの稲の緑色。真夏の田舎の風景の美しさ。
とにかく、絵がなんともいえず、素敵です。
男の子は、道路を走り、海辺を走り、田んぼの中の道を走り、神社の階段をかけのぼり、小川を飛び越え、森の中で、でっかいクワガタを見つけるんですね。
でも、何度やっても何度やっても何度やっても、木にとまったクワガタに網がとどかない。力をふりしぼって、何度も挑戦しているうちに、クワガタをつかまえることができるんですね。
帰りには、土砂降りに会い、びしょぬれになって道をかけて帰ってくる。そして、帰りつく頃には、雨もあがって、空はきれいな夕暮れ色。ずぶぬれになっちゃったけど、男の子の気持ちは、晴れやかです。だって、大きな大きなぼくだけのクワガタを見つけたんだから。
この絵本、こちらの気持ちもすがすがしくなるくらいに、きれいな絵です。
夏のほんとに夏らしい風景に魅せられる本、絵を楽しむ絵本です。