おばあちゃんからいただいた水差しのバラがしおれてしまい、がっかりするレイチェル。そこで、お母さんと苗木を買いに行き自分でバラを育てることにしました。絵本には、四季を通してバラを栽培したレイチェルの姿が、多彩なパステルで描かれます。
「女の子とバラ」は、ほんとうに可憐な間柄。懸命に苗木から面倒を見るレイチェルの姿が健気で、胸打たれました。まっすぐな目で、バラに気持ちを注ぐ姿勢がいいのですね。巻末に、バラの育て方が収録されている点もすてき。バラを大切に育てていた父を思い出し、ノスタルジックな気持ちに浸れました。
ワッツの美しいパステル画に魅せられ、いつかは手に入れたいと思っていた絵本です。バラの季節を迎え、読めてよかったと思わずにはいられません。ページを開けば、甘い香りに包まれるようでした。