紅葉する木の下に寝てる父娘の表紙絵。
『うわ〜、いいなぁ〜』って思って手に取りました。
よ〜く見たら作者は、韓国の方。
韓国ソウルの秋でした。
ソウルは中心部に南山をそして、四方をいくつもの山々に囲まれた地形を特徴としています。
つまり、大都市の中に山があるのです。
韓国の人は山に登ることが好きで、週末の山は家族連れで賑わうそうです。
都会の日々の喧噪さから解き放たれて、ここで過ごす時間は、ソウル市民のこの上ない憩いのひとときなのでしょう。
主人公のソリちゃんとパパが、山遊びをする姿が、とても微笑ましいです。
パパも本当に楽しんでいる。ソリちゃんも体一杯遊んでいる。それが伝わってきます。
最後のページの山と都会の建物の密集群のコントラストには驚きました。
もっと、驚いたのは、絵を担当したハン・ビョンホさんが、“子どもの心の開放感と自由な躍動”を表現するために、ほとんどの絵を左手で描いたことです。
故に、この親子の楽しい思い出の絵日記的な空気が、作品の中に流れているのだと思いました。
「山が大都市の真ん中にあるなんて、いいな〜。勉強しながら、働きながら、季節がいつも見えるんだね。それなら、大都市暮らしもいいかも。」と息子。
さらに、「え゛っ、左手?左手で描いたの〜?」と叫んでいました。