主人公の怪物は、いかにも『怪物』らしい風貌で、強面なんですが、心はとても優しくて、シャイなんです。
なのに、周囲の動物はおろか、大地や草花、天候までも、この怪物を忌み嫌い、逃げていくのでした。
怪物は淋しい毎日を送っていましたが、ある時、石でたくさんの動物を作ってみることにしました。
やっと出来上がって、微笑むと、せっかく作ったばかりの石の動物達が、無惨にも崩れてしまったのです。
ただ一つ「いしのうさぎ」除いて。
返事もしない、微笑みさえしてくれなくても、そこにいてくれるだけで幸せな気分にしてくれる石のうさぎ(友達)を、生涯大切にしてくらしました。
怪物がいなくなり、住んでいた当たりに草木がはえ、人々が訪れるようになっても、草影にひっそり佇む「石のうさぎ」がある、ラストページが心にジーンときました。
この絵本をうまく説明しようとすると、とても説教がましくなってしまいそうなので、読んだままに素直に受け取ると、とても素敵な絵本だということだけ、お伝えします。