桜が大好きな娘に、桜の季節を前に贈りました。
娘は、桜の花びら1枚1枚を確かめるように、じっくりと絵に見入っていました。
物語は、静かに、ゆっくりと進んでいきます。2年生だったさくら子も、いつのまにか6年生に・・・。
「さくら子ちゃん、お母さんにどんどん似てきたね。」と、娘。
母と娘の温かく素敵な時間が流れています。まだこのときには、「みごもり栗」の意味も、その背後にある事実もわからないままでした。
本を閉じてから、「かわいそうなお話だね。」と言った後、「見れなかったんだよね」と、ぽつり一言。
「何を?」
「お母さんの顔・・・。お乳も飲めなかったんだよね。」
娘の言葉に、そして、今、ここに娘がいるということに、ただただぐっときて、目の前の娘をぎゅうっと抱きしめました。
子どもといっしょに日々過ごし、子どもの成長を見れるということは、どれほどしあわせなことでしょう。決して当たり前ではないしあわせを、もう1度心の底から感じさせてくれた絵本でした。