死を扱った絵本はいくつか読みましたが、最初から最後まで涙、涙を誘うものが多くて好きではありませんでした。これは、大部分が「じいじ」と孫のエリックが、おばけになったじいじの「忘れ物」を探すという設定なので、面白く読めます。最後のほうに1ページだけ、しんみりとなる部分があります。ここに「涙があふれました」という表現がなければ、私的には星5つにしたと思います。「涙」という言葉がなくても、胸にじんとするものが伝わると思うので……。でも、そこでぐいぐい涙を押し付けるのではなく、じいじと別れたエリックが「明日は学校へ行こう」と明るく立ち直るのところにとても好感が持てます。我が家の2人の幼稚園児も、この本は何度かリクエストしました。死を実感するというよりは、まだ死に興味を持っている年齢だと思うので、この本がちょうど良かったと思います。