光村教育図書さんのアメリカにおける人種差別問題を扱った作品は、「ローザ」・「ぬすみ聞き」が記憶にあります。
両者差別された側の方々の希望を捨てず、信念を貫く力強さに心揺さぶられました。
こちらの作品も差別を受けたおじいさんの戦ってきた「手」に、底知れぬ力強さを感じました。
前半孫を可愛がる好々爺の様子に、お国が違っても同じだなぁ〜、と微笑み読み進めました。
中盤から、蔑まれた「手」が人権を獲得すべく繋がれ、大きな力となって行きます(1950〜60年代)。
そして、後半この「手」は孫に“全てを可能とした「手」”として渡されている事に感動しました。
主人公のジョーゼフ(孫)もまた、大切に息子・孫へと渡していく事でしょう。
人種差別の中でも具体的でシビアーな問題がテーマですので、高学年向きかなと思いました。