荒井良二さんの作品はやや難解な印象ですが、
この作品は、原始的な味わいそのまま、シンプルにまとめられた印象です。
表紙絵の「ねんどろん」たちが主人公。
ちなみに、作者いわく、粘土かどうかはわからず、
あくまで、「ねんどろん」という造形のよう。
独得の「ずんずん ちゃ」などのリズムに乗って、
おもむろに下部より登場する主人公たち。
何だか粘性を感じる造形ですが、カラフルなこともあって、
意外に親しみやすいです。
スキンシップのような、合体のような挙句、転がって。
ハプニングも愉快に楽しんで、素知らぬ顔で次なる遊びへ。
わあ、乗り物なんて、素敵素敵。
子どもたちのツボをしっかりつかんでいます。
ちゃんとクールダウンしていくあたり、安定の完成度です。
紙質は普通ですが、中のページは端が丸形カットされており、
小さい子から、オノマトペを楽しめそうです。