何といっても、表題が素敵だと思いませんか?『ちっちゃくたっておっきな愛』―ささやかだけど深い愛―そんなイメージしませんか?
からだの「ちっちゃい」ねずみのちびちびくんは、「おっきな」のびのびちゃんに恋しちゃう。ずっとずっと上の方ののびのびちゃんに、キスしたくって、がんばっちゃう!
そのがんばり方が、愛らしく・微笑ましい。
「ちっちゃいからつまさきだちでマッチ箱にのって」「ちっちゃいからつまさきだちですいかにのって」「ちっちゃいからつまさきだちで・・・」と、一生懸命のちびちびくんと彼の≪つま先≫がかわいい!
それに、彼が、積み上げていく物が、ユニーク。安定感なんてお構いなし、身の回りの目に付いたものを手当たりしだいにつみあげる・・・。ゆびぬき〜すいか〜カップにキャベツ・・最後には竹馬。もちろん≪つまさきだち≫で。そして・・・・・。
我が家では、この「ちっちゃくたって・・」が、合言葉のようになってしまい、例えば娘達にお小言を言うと、「それって、私へのちっちゃくたっておっきな愛でしょ。」なんてことに。作者のウィリスさんごめんなさい・・ですね。
読んだ後、ほのぼの・ほんわか気分になれる。そして、このちびちびくんのような気持ちを大切にしたいと思える。小さくてもまっすぐで、素直に愛情を表現できたらいいよね。