近代文学の有名どころをかき集めてきたっていう感じの一冊です。
とても懐かしく読ませてもらいました。
せっかくなので、子どもにも読み聞かせてみました。
どこで聞いたか「吾輩は猫である」と「走れメロス」の1フレーズを
覚えていたのにはびっくり。
「蜘蛛の糸」は、以前絵本を読んだことがあるので知っていたこともあり、
取っつきやすかったようです。
この絵本の解説に、「どこを切り取ってもやっぱりいい、それが名作」
と書いてありましたが、激しく同意してしまいました。
子どもが聞いても、心に残る一文がある。それが近代文学の良さなのかな。
さて、一冊読み終えて息子に好評だったのが、芥川龍之介の「鼻」、
そして一番のお気に入りは、夏目漱石の「坊っちゃん」です。
想像して楽しい「鼻」、言葉遊びみたいな会話のやりとりが楽しい
「坊っちゃん」の一文、読み返しては大笑いしていました。
多少の言い回しの難しさは、楽しいイラストでカバーできているので、
抵抗無く読む気になったようです。これを気に、近代文学を読み、この
ストーリーの前後を知りたくなりました。
この絵本を読んだ後、たまたま学校の給食メニューをみたところ、
「菜めし」と書いてあり、「坊っちゃん」を思いだした息子は、
「なもしと菜飯とは違うぞな、もし!」と言って笑っていました。
この絵本のおかげで、新しい1フレーズを覚えたようです。
是非、揃えておきたいシリーズだと思います。