大地のランナー」 みんなの声

大地のランナー 作:ジェイムズ・リオーダン
訳:原田 勝
出版社:鈴木出版 鈴木出版の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2012年07月
ISBN:9784790232582
評価スコア 4.5
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  • 人種差別に命をかけて

    南アフリカ共和国初の黒人金メダリスト、ジョサイア・チュグワネをモデルに作られたドラマチックな物語。
    チュグワネの生い立ちとは異なる展開ですが、アパルトヘイトという過酷な人種差別制度の下に虐げられてきた黒人のことを思うと、うなるほど納得できるお話です。
    黒人だからという理由で、集会に出た人々に浴びせられたのは銃弾の雨。
    死んだ両親と、残された兄弟は様々な人生を歩みます。
    そしてそれぞれがアパルトヘイトという偏見だらけの弾劾のもとに、自由を奪われ、虐げられます。
    その中で、走ることをもって白人と闘おうと思ったサム。
    サムの走りは、白人への抵抗であり、自分たち南アフリカ共和国の黒人の存在を世界に伝えるための戦いだったのです。
    マラソンの好きな私には、マラソンの栄光物語と、アパルトヘイトへの抵抗とを盛り込んだために、物語はちょっと乱雑になってしまったようにも思えました。
    チュグワネ本人にスポットを当てた物語があれば捨てがたいとも思います。
    鬼気迫るレース展開を見ると、日本のランナーはハングリー精神ではかなわないなとも思います。
    様々な思いを持ちながら、素晴らしい作品であることに違いはありません。

    おまけの話ですが、実際のチュグワネもアパルトヘイトのために、虐げられた生活の中で、走ることの意味を感じた人です。
    ちゃんとした練習よりもハングリー精神が、彼のエネルギーだったのです。
    だけど手にした栄光のために、危険な目にもあったそうです。
    人種差別のために、ちゃんとした教育を受けることができなかったから文字を読むことができませんでした。
    マラソンの活躍で大きな富を得た後にしたことは、読み書きを習うことだったそうです。
    このエピソードも子どもたちに伝えたいものです。

    投稿日:2012/10/25

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    1
  • 舞台は南ア。アパルトヘイトという政策。

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子19歳、女の子15歳

    最初読み始めたときは伝記物語かと思ってしまったほど、現実的な出来事をふんだんに盛り込んだお話でした。

    副題に「自由へのマラソン」とあります。
    舞台は南アフリカ共和国。
    何が自由かというと、この物語の舞台になっていた当時1970年代から1990年代のつい最近まで、
    南アフリカ共和国では“アパルトヘイト”という人種差別が普通に行われていたため、原住民であった黒人たちは、国を統治していた白人たちにかなり厳しい迫害を受けていました。
    そういった差別され迫害されてきた生活からの「自由」を勝ち取ったという物語だったのです。

    たった200ページほどの短い本の中に、凝縮されたたくさんの想いや事件が描かれていました。
    主人公のサムのモデルはアメリカアトランタオリンピックで金メダルを獲得した『チュグワネ』選手らしいです。
    とても読みやすかったので、いっきに読んでしまいました。
    手に汗握るシーンもたくさんありました。
    この物語は世界の歴史や事件に関心のあるお子さんにはぜひ読んでもらいたい1冊です。
    小学校高学年から中高生のお子さんたちにもお薦めです。
    児童書として出ていますが、大人の方々にもお薦めできる内容でした。

    投稿日:2015/04/29

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    0
  • ちょうどオリンピックの今年。
    マラソンということで読んでみました。
    アパルトヘイト全盛期の南アフリカ共和国が
    舞台のお話です。
    教科書で習った程度しか知らなくて、
    そんなに昔の話ではないのに、
    こんなに厳しい現実があったことに驚きました。
    でも、だからこそ、この主人公が
    マラソンという手段で闘ったこと、
    とても感動しました。
    フィクションではないようですが、モデルはいるそうで、
    実際のアトランタオリンピックでのマラソンの展開を
    ベースにかなり忠実に書いてあるとのことでした。
    マラソンはじっと見ているのが苦手な種目でしたが、
    今年のオリンピックは、ちゃんと観ようと思いました。
    マラソンへの熱い想い…。
    人種差別にしろ、どんな差別も決して許されるものではない、
    心からそう思いました。
    オリンピックイヤーだからこそ読みたい本です。
    子どもにもすすめたいです。

    投稿日:2012/07/27

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