大好きなティラノサルルスシリーズの第4弾です。
切ないです。つらいです。悲しいです。でも大切なことです。我が家の二男、三男も泣きました。
マイアサウラのお母さんが拾ってきた卵から生まれてきたのは、ティラノサウルスの子供でした。一度は捨てようとしたものの、自分の子と同じように育てることにします。しかし、やがてその子に、自分はマイアサウラの子では無い事に気付かされる出来事が起こります。そしてひどく混乱します。
「自分はいったい何者なのか」子供が思春期になり自我に目覚め自立していく時、こんな気持ちになるでしょうか。(自分の事は忘れてしまいました…)そして親はどうしたらよいのでしょうか。そのヒントがこの本にはあると思います。子供の変化に気付き、その子を一人の人間として認めてやる、そして大切な一人であることを伝える。その安心感が子供の自立を助けると思います。
そして、お父さんであろうと思われるティラノサウルスもステキなんです。一生懸命自分を取り戻そうとしている、自分の子供かもしれないティラノサウルスに傷つけられながらも、痛さを必死に我慢している姿。登場人物の一人一人がいとおしく思えます。
このシリーズを読んだ後は本にちなんだブームが必ず起こります。今回は「ぼくは ぼくだよね」と子供が聞き、「あなたは 私の大切な子○○(子供の名前)よ」と私が言って、ギュッと抱きしめます。その時の子供のうれしそうな顔、たまりません。
宮西達也さんは講演会で本の通りの優しい、思いやりにあふれた人柄に触れ、ファンになりました。シリーズに出てくる『赤い実』。あれは意味のある『赤い実』だということを聞きました。そしてシークレット情報!第1刷をお持ちの方は必見!表紙の『あなたを』の『あ』の下の黒い線。何か足りないと思いませんか。そう、オレンジ色の線が抜けているのです。第2刷からはきちんと印刷されているそうですが、私は直筆で書いてもらいました!