洞熊学校を卒業した、赤い手の長いくも、銀色のなめくじ、顔を洗ったことのないたぬき。先生に教えられたとおり、一番をめざしますが、どんな一番なのか、、、。
寓話なので、いろいろな動物たちが擬人化されています。賢治のまわりに、このような人たちがいたのかもしれませんね。
よくばりすぎたり、親切なふりをしてだましたり、と教訓的なおはなしですが、どこかのどかな感じもしました。
大島さんの描く、こってりしたクモやナメクジ、タヌキたちは、ほんとに人間みたいで声がきこえてきそうです。
賢治独特の文章も、なれてくるとおもしろくて、物語の中にはいりこんでしまいます。それぞれのエピソードのおわりにかかれた「ハチの様子」に、しみじみしました。