まず石崎洋司さんの素晴らしい表紙にはっと息を飲みました。
心の中に思い描くイメージととても近い気がしました。
鮮やかで凛とした世界観です。
誰もが知っている有名なお話、「つるのおんがえし」。
哀しくはかないお話をそのまま変えることなく、
シンプルな言葉でかなだけでつづられた絵本は、小さい子も大人も
ページをめくるごとにその世界に引きこまれていきます。
城内の華美で派手な様子は少々極端かとも思いましたが、
追い詰められていく様子を伝えるには絶妙な効果となっているかもしれません。
読み終えた後、そのあっさりとした終わり方にかえって余韻が残ります。
鶴の織る布がどんな柄なのか、そこだけ各々の思い描くイメージもあり
個人的に☆ひとつ分減らしました。
子供にもどんな柄かを絵を描かせてみてもいいかもしれませんね。