字が下手で、習字も苦手だった自分「書」に関心を持ったのはパフォーマンス書道であり、相田みつをであり、博物館でみかけた破天荒な墨の世界であり…と、思い切り邪道な興味本位なのですが、この絵本は「それでいいのだ」と答えてくれました。
筆で描く文字は、文字ではなく表現なのです。
この発想は習字を苦手とする人にとっては「目からウロコ」なのではないでしょうか。
看板であったり、「落書き?」であったり、食堂のサンプルケースであったり、日頃目にしていながら「書」とは無縁だと思っていたところから「書」の世界への誘いは、多少強引な気がしないでもないのですが、読み進んでいくと「ナットク」に変わりました。
様々なサンプルに、文字や言葉の意味ではなく、各人の心や思いが込められているのだと感じました。
この絵本は子どもを筆アレルギーや、書き方教室コンプレックスから解放してくれる本だと思います。