文章が短く淡々と進む絵本ですが、それだけにジオジオの表情の変化が印象的で、そこから読み取れる物が多くありました。
誰よりも強いライオンのジオジオ。
どの動物からも恐れられるがゆえに、孤独だったジオジオ。
けれど、頭の上の冠の中に鳥の卵を入れて守るようになってからの表情は、楽しそうであり、朗らかであり、たくましくもあり。
最終ページ、じっと目をつむり、無事に産まれた小鳥達の声を聞き入るジオジオの安らかな顔は、とてもとても魅力的で見入ってしまいます。
百獣の王として生きてきたジオジオが、人生の終盤になって手にした安らぎ。
味わい深い、心に残る、大好きな絵本になりました。
3歳頃〜大人の方にオススメします。