「ジオジオのかんむり」 みんなの声

　若い頃は力がみなぎり、
一人でも自信に溢れた生活をしていたであろう
ライオンのジオジオが、
老いに気づき、
水面に自分の顔を映すシーンは、
孤独に悩む心が映しだされているようで、
心が痛む感じがする。
ジオジオの後ろには、
若い黒ひょうが獲物を追いかけている場面だろうか？
対照的に描かれ、ジオジオの寂しさが伝わってくる。
灰色の鳥との共同生活のなかで、
少しづつ癒され、生きがいを感じていく姿は、
しみじみとした感動を感じさせてくれる。
ピンク系で彩られた最後のページのジオジオは、
満ちたりた様子で、穏やかな表情だ。

　本当にステキな内容の絵本で、読後は親のほうが温かい気持ちにさせられました。孤独なライオンと鳥の関係がなんだか近所のおじさんとの交流に似ていたので、思い入れの深い作品です。

　普段は強面のおじさんですが（一見ちょっとやくざ風）、あいさつを交わすうちに、子どもたちを見ているその表情が本当に優しそうで、いろんなお話もしてくれて、恐いおじさんがいつのまにか優しいおじさんになりました。

　動物も人間も、見かけで判断するのはよくないですね。まずは、こちらから声をかけてみましょう。この絵本のように、子どもがいると自然と場がなごみますから。

ライオンの王様ジオジオの冠の中で、鳥が卵を育てます。

ゆっくり歩いたり雨宿りしたり、ジオジオが頭の上の住人をいとおしく思っているのが伝わってきます。

卵が孵った頃、ジオジオの目は見えなくなってしまいました。でも、小鳥たちに慕われて、とても満ち足りた顔をしているように思えます。ジオジオは本当は、ずーっと寂しかったのかもしれませんね。

目をひくような絵でもないのに・・・とってもいい作品です。
こどものとも傑作集に選ばれているのがわかる気がします。
この絵本は子供に多くのことを問いかけて、考えさせてくれている気がします。
最後のパッと明るい色使い。
すべての答えがこのページに凝縮されている感じがします。
ジオジオの幸せそうな顔はこちらがみててもハッピー。
我が家の子供は何を感じてくれたかなあ。

絵も、話もとても静かな感じがする話です。
読んでいて、しみじみとして、最後に、ほんわかした気持ちが残ります。

子供たちも好きなようで、じっと聞き入っています。

怖いライオンの、思いもかけない寂しさ、優しさがとても心地よく心に残ります。

この本を読んで「幸せとは何なのか」いろいろ思いました。
ジオジオは強くて王様なので、一見幸せに思いますが、誰も怖がって近寄らずつまらないのです。
そんなとき、卵を全部失った鳥が、ジオジオのかんむりでひなを育てる提案をしました。そして、めでたくひながかえって、新しい信頼関係がジオジオや鳥たちにとても幸せな時間を運んでくれていることが分かりました。
年老いて目があまり見えなくなっても幸せと感じているラストの絵を見て、ほっと温かい気持ちがしました。

でも、ジオジオは最初から優しい心を持っていたのだと思います。ただのいばりんぼう王様だったら、鳥の提案を断っていたでしょう。

うちの子には、まだこの本のいいたいことはいまいち分かっていないようですが、絵が好きなようです。
なるほど、子供が大好きな「かばくん」の著者だったんですね。

みんなに恐れられているジオジオの頭の上で子育てしちゃう鳥も勇気ありますが。
育った小鳥にとってジオジオはおじいさんのような存在なのでしょうか。
ラストのページに心が温まりました。

絵本クラブのお勧めの本だったので探してみました。まずは図書館で探したら閉架図書になっていました。　閉架図書になるなんてどんな本だろう？と思っていたらやさしい静かな本でした。私はなんか癒される本で素敵だなと思ったのですが娘は絵の色使いが地味すぎたようでどうしてこんな色なの？と不思議がってました。子供用というよりも大人にもお勧めの本です。

かつては強くて風格もあったであろうジオジオ。
老いを自覚するようになって初めて、孤独であることの寂しさを知ったのでしょう。
その時出会った１羽の鳥。卵を失った悲しさを理解しジオジオは自分の冠の中で
子育てするよう勧めます。
（本音を言うと、卵（雛）が食べられてしまうのでは？と心配でした。ジオジオごめんね）
卵は無事かえり、ジオジオの冠の周りで楽しそうに嬉しそうに飛び回ります。
その姿は見えないけれど、その声はしっかりとジオジオに届いていました。
目の見えなくなったジオジオの、満ち足りた表情と、そこにある穏やかな時間。
涙がこぼれそうになりました。
大事なことって何だろう？　考えさせられました。

ライオンのジオジオは、一人ぼっち。
若い頃から皆に恐れられていたんだって。
でも、そんなジオジオに頼みごとをする鳥がいました。
「たまごをまもってほしい」
皆に恐れられていた頃のジオジオなら、そんな頼み聞こうともしなかったと思います。
年老いて、目もよく見えなくなり、耳もよく聞こえなくなり、寂しくもあり、そんな時に頼りにされたジオジオは嬉しかったのかな。

年老いても頼りにされる人になりたいな。