【内容】
グリム童話。よく知られた白雪姫のお話を、芸術的な作風の絵で楽しむ一冊。
ヨーロッパあたりの、お金持ちのご主人が再婚した妻に、実子の女の子が殺されかけるお話。森に逃げ込んだ白雪姫は、勝手に人の家に上がり込んで食事を中途半端に食べてしまい…
【感想】
大人向けの絵本。その
おそらく小さなこどもや、メルヘン=甘くてかわいい世界という思い込みのある人には向かない。違和感を感じるなら、いいが、最後のシーンを見てトラウマにならないかちょっと心配。(民話というのは、そもそも人生の残酷さや、人間の醜さも描いているものだから)
個人的には、奇想天外な雰囲気や、妖怪じみた人物描写が面白かった。
グリム童話の原作や、いろんなパロディ作品を読むと、「白雪姫」は決してかわいい、可憐な少女の物語ではなく、やられたらそれ以上にやり返すような激しさをもつ生命力の強い女性の冒険物語のような印象を受ける。
継母との闘いは、エグイ、むごい、壮絶なものであり、最終的には執念の勝利をおさめるが、その後の継母への残虐な仕打ちを見ると、どっちもどっち、同じレベルの醜い争いという気がする。
個人的には、白雪姫は一時的な勝利をおさめてはいるものの、自分が年をとったら、継母と同じことをやって、先祖代々女同士の因縁の闘いが繰り返されるのではないだろうか…と想像している。
もし、白雪姫が本当に心の清らかな人であるなら、あのような仕打ちをしなかっただろうと、私は思うのだが…(ラストシーンを、ぜひ、お楽しみに♪)