表紙や挿絵をみて、どことなく東欧っぽい雰囲気だと思ったら、スロバキアの昔話なのですね。
登場人物の来ている服が民族衣装のようで、雰囲気を盛り上げています。
お話は、例えばシンデレラとか、あるいは日本の昔話にもありそうなものなのですが・・・素直で正直な継子と、意地悪な継母・継姉のお話です。
でも、この本の素晴らしいところは、継子を助けてくれるのが、12の月の化身?妖精?だというところです。
12ヶ月がそれぞれ擬人化されていて、その月の化身が一瞬でその季節にしてくれる場面の鮮やかさは、とても印象的です。
西洋の昔話は、メルヘンの世界のわりには敵役が残酷に殺されてしまったりして(グリム童話のように)、子どもに昔話そのままのお話を読ませるのをためらってしまうことが多いのですが・・・この本では、そのあたりはさらりとかわされていて、それも良かったです。
さすがに長く読み継がれる作品はいいですね。お勧めです。