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みるなのくら」 みんなの声

みるなのくら 絵:赤羽 末吉
再話:小澤 俊夫
出版社:福音館書店
税込価格:\1,430
発行日:1989年
ISBN:9784834008319
評価スコア 4.36
評価ランキング 14,823
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  • 昔話絵本の集大成のような作品

    小澤俊夫さんの講演会で赤羽さんとの作品について聞くことができました。

    福音館書店からお二人のコンビで出た昔話絵本は5冊あるそうです。その最後の作品が『みるなのくら』です。

    1990年に赤羽さんは亡くなられていますので、本当にこの作品が赤羽さんが作られた最後の昔話絵本となったわけです。

    お二人で昔話絵本を作られてかかった歳月は12年。

    『みるなのくら』は、赤羽さんの方の絵が先にあったそうです。

    一のくら、二のくらと開ける場面では、お正月から始まる日本の行事が展開していきます。

    この赤羽さんの絵があまりに素晴しかったので、小澤さんはこのページには、文章は少なくてもよいと思い、文章を削られたのだそうです。

    それをお聞きして絵本を見てみると、小澤さんのおっしゃられたとおり、文章は最低限で絵の美しさを堪能できます。

    このお二人が出会われて作られたということが、本当に素晴しく、これらの作品群は、子どもたち、孫の世代まで伝えていきたい傑作だと思います。

    赤羽さんのエッセイによれば、『つるにょうぼう』から和紙を二種類使うことを始められ、

    『そばがらじさまとまめじさま』では、八種類の和紙を使い分けられたそうです。

    赤羽さんの1980年代の昔話絵本と、1960年代の昔話絵本を今回改めて見比べて見ましたが、

    同じ作者ですが、明らかに違います。

    言うなれば、この作品は赤羽さんの昔話絵本の集大成のような作品です。

    大人がまず作品の素晴しさを知り尽くして、子どもたちに伝えていきたい絵本だと思いました。

    投稿日:2010/12/24

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    5
  • 名作といわれる作品は

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子12歳、女の子8歳

    学校の読み語りで使おうと家で練習していたら、中学生になった上の娘が、聞き入ってしまいました。
    やっぱり、名作といわれている昔話は、何歳になっても、何度読んでも人の心を惹きつける力があるのだなぁと、改めて思いました。

    赤羽末吉さんのイラストが、また情緒があって、見ていると描かれている物語の世界に吸い込まれたような気持ちになれます。
    まだ、お手にしていない方は是非どうぞ。
    幼稚園、学校などの読み語りにも最適な作品だと思います。

    投稿日:2008/11/10

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    2
  • 十二のくらへの期待感

    見るなと言われたら、見たくなるのが人の心。
    一から十一のくらまで見せておいて、最後のくらだけ見るなというのは、無理でしょう。
    最初から覗かれることが分かっていたような、 意地悪なうぐいすさん。
    お話は単純なのですが、絵が見事です。
    それぞれのくらの中に描かれているのは、それぞれの月の風景。
    あまりに見事なので、十二月はなんだろうと私にも期待させてしまいました。
    赤羽さんの最後の作品として感慨深い絵本です。

    投稿日:2013/03/23

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    1
  • 12の蔵が美しい

    不思議なお話です。
    うぐいすの声にさそわれて道に迷った若者がたどり着いたのは、大きなお屋敷で...そこには12の蔵がある。
    11までは見てよいけれど、12だけは見てはいけないと言われる。
    1の蔵、2の蔵・・・と続く蔵の中の様子は、季節感たっぷりで、見てはいけない「みるなのくら」がどうなっているのか、見るなといわれれば、なおさら気になるというもの。
    12月といえば何がある?クリスマス?いやいや、日本の昔話だから、クリスマスということはあるまい、と思い直し、となれば、何か恐ろしげなものが隠されているのかと、いろいろ想像をめぐらせます。
    そのへんは、子どもだけではなく、大人もちょっと楽しい。
    結局、12番目の蔵にはそんな恐ろしいものが隠されていたわけではなく、ちょっと拍子抜けという感じはありましたが・・・
    ちょっと、「つるのおんがえし」的なお話です。
    森の中で起こった、一夜の夢のような不思議な出来事、という感じ。

    投稿日:2011/02/19

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    1
  • 芸術的な作品

    『ももたろう』、『だいくとおにろく』、『かさじぞう』などなど、赤羽末吉さんの描く昔話のイラストが大好きです。
    こちらは特に芸術的な作品だと思います。
    迷い込んだ山奥のお屋敷で、「一の蔵から十一の蔵までは、覗いてみても構いません。けれども最後の十二の蔵だけは、決して見ないでください」と言われた若者のおはなし。
    一の蔵から、お正月、節分の豆まき、桃の節句、花見、端午の節句、田植え、七夕、夏祭り、大嵐、刈り入れ、秋祭りのシーンと続いて……。どのページもうっとりするような美しさでした。
    これはやはりどうしても、見てしまいますよね。

    投稿日:2021/08/19

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  • 割とあっさりとした内容

    ドラマチックな展開というものがなく、一を聞いて十を知るような、淡々とした内容でした。
    色々な昔話を読んだ、高学年になら、話の意図するところが読み取れるかも・・・と思います。

    『うぐいすの里』というタイトルで、同じような話を読んだことがありますが、ほぼ同じ内容かなと思いました。

    投稿日:2019/04/15

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  • すばらしい絵!

    なんといっても絵がすばらしいです。ページをめくるたび、つぎつぎ現れるくらの景色には、思わずため息がでます。
    みるな、と言われても、最後のくらも見たい。主人公の若者の気持ちもわかるよう。
    ラストまで絵にひきこまれたまま読み終わりました。

    投稿日:2017/02/14

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  • なんとも懐かしい思いに駆られる作品です。
    幼い頃、母に祖父母に語ってもらった昔話のかけらたちが、心の中にちらりほらりとまいおりて来るような気持ちになりました。

    お話は、焚き木売りを生業とする貧しい若者が、ある日山で鶯の良い声に誘われ、山奥へ迷い込んでしまい、ちらりとともる灯りを頼りに大きな屋敷にたどり着き、一晩泊めてもらい、翌朝留守番を家主のあねさまに頼まれます。
    このあと、あねさまの残していった言葉。
    なんとも魅惑的です。

    若者でなくとも、十二番目の蔵を見たくなります。
    それは、一の蔵から十一の蔵までが、あまりにも素晴らしい蔵だったからです。
    日本の伝統的な年中行事を行う季節の節目や四季の風景が、見事に描かれています。
    子どもたちが、この作品を読んでも、日本にはこんなに素晴らしいものが、昔からあったのだと再認識することでしょう。

    それにしても、「見るな」ということは、若者を信じ引き留めておきたいあねさまの気持ちと、一緒にはいられないゆえ「見て帰ってくれ」という思いの交錯した複雑な心境をあらわした言葉なのではないでしょうか。

    最後の一文のいきが ぽーんと さけた。″が、私をも我に返らさせました。
    今年度、6年生に読んでみたいと思います。

    投稿日:2015/07/18

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  • 格調高い美しさ

    見事な絵!
    赤羽さんの最後の作品ときき、ますます感慨深いものがあります。
    蔵の扉の向こうに広がる日本の行事や季節ごとの風景が月ごとに表されていて、その格調高い美しさは圧巻。

    一のくら、二のくら、三のくら…と順番に見て、最後の十二のくらだけ見てはいけない…
    というお話ですが、これだけ素晴らしい光景なら、扉を開けたくなるのも仕方ないですね。

    日本の伝統的な魅力を見直すためにも多くのお子さんに手にとってほしい作品です。
    また、外国の方にも喜ばれそうな絵本だと思いました。

    投稿日:2014/06/14

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  • 見るなと言われて見たくなる心理

    タイトルの「みるなのくら」
    人は見るなと言われたらよけいに見たくなる この心理を描いた昔話ですね

    赤羽末吉さんの絵 すばらしいです!
    日本画のすばらしさ 
    倉を開いた陰の描き方 見事です
    1〜11の倉は1月お正月・まめまき・ももの せっく・・・・四季がきれいに描かれていますから、言葉はひと言で再話されています
    ここもいいですね

    どの絵も見事で  生活感も感じられ、人々の暮らしが見えます
    9の倉は おおあらし 台風ですね
     
    そして あけるなと言われた12の倉   見るなと言われると みたくてみたくて どうにも我慢ができず あけてしまうのですが・・・
    この人間の心理 分かる気がします

    12の倉の絵もきれいです    オチの「いきが ぽーんと さけた。」おもしろい表現です

    投稿日:2014/04/03

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