白いおおきなネコ、てつぞう。
愛情あふれる飼い主さん目線で、てつぞうがどんなネコかを紹介してくれています。春夏秋冬で見せるてつぞうのユーモラスな行動も可愛らしいです。
でも、ある時、どんどんやせ細り天国へ旅立ってしまいます。
そして季節はめぐり、新たなネコの兄弟を迎えることになった飼い主さんは、その生活ぶりを天国のてつぞうに伝えるというような内容です。
「死」「亡くなる」というような言葉は使わず、絵で表現しているあたり、小さい子に優しく伝える本なのかなという印象です。
この本との出会いは、母が孫娘のためにプレゼントしてくれたこと。
我が家では2匹のネコを飼っているので、いつか来るであろうその時を、受け入れられるようにという思いもあって、この絵本にしたそうです。
娘はとても気に入り、何度も読むうちに完璧ではないものの、朗読できるほどになりました。
そんな2歳の誕生日を迎える数日前、その日は来てしまいました。
13歳のネコが天国に行ってしまったことを伝えても、まだ実感がないようで、箱の中の動かなくなった体をずっと撫で、「寝てるねー」と言うばかり。
そこで、この絵本の「てつぞうとおんなじで、天国に行ったんだよ」と伝えることが出来ました。
でも、いなくなってしまったことを寂しがるという様子はありません。
まだそういう感情が育っていなかったんだと思います。
そんな出来事からもうすぐ一年、その間、もう1匹のネコとの生活は続いています。娘もネコとの触れ合いは生活の一部となり、精神面でも大きな存在となっているはずです。こちらも老猫ゆえ、いつか来るであろう時を、家族で悲しむだけではなく感謝と共に「死」を受け入れられたらと思っています。