ジェラルディンの発案でチーズをみんなで盗み出したねずみたち。ジェラルディンはみんなに少しずつチーズを渡しますが、噛んで削ったチーズの残りは、ねずみの形に!そのねずみはしっぽのフルートをくわえているのですが、毎日夜に音楽を演奏します。でも、冬になりチーズを分けろと迫るほかの仲間たちにジェラルディンは「これは音楽だからだめ!」と断ります。自分のしっぽで演奏してみるジェラルディンにみんなが「仕方ない」と納得。でもなぜかそこで「もう音楽は私のものになったからいいわ」とみんなに食べさせる。
チーズ彫りですが、「私は仏像を彫ってるのではなく、中に隠れている仏様を彫りだしているだけ」という仏像ほり師の話を思い出しました。でも、みんなで盗んだけど発見したのと教えた功績で自分で多くを手にするあたりは意外にちゃっかりしてます。でも一度よそのねずみのものになったのに後から「もっとよこせ」というねずみたち、ちょっと図々しい気もします。最初に言わなかったら、あとは自分でやりくりすべきだと思われます。そして最後のオチもえええ?っていう感じで拍子抜け。このジェラルディンの心境は、いま流行りの断捨離の精神にもつながるような気がします。
いろんな意味でなかなか素敵な作品です。
娘も面白がっていました。