ネパールの民話です。
ラージャンが拾った銀貨で買ったサル。
彼はサルを大事に育てます。
そんなとき、ラージャンの村に人を殺したり
宝物をとったりするというあくまが現れて・・・・。
表紙の宗教チックな絵に惹かれ手に取りました。
曼荼羅の一場面にでも描かれていそうな…、とにかく
色遣い、人物の顔、背景など異国テイストにあふれています。
ピンチになったサルが機転を利かせてラージャンに福を
もたらそうと行動していくのですが、異国の民話とあって、
先がすぐに想像できないので、一気に物語の世界に
引き込まれました。
死んだ後お祈りしてくれる人がいない、
お嫁さんは身に着ける飾りがないと…といったくだりで
サルの言葉に素直に頷くあくまの姿。
日本にはない文化や常識が垣間見えるのも、その国で
語り継がれてきた民話だからこその魅力。
「ぼくのおよめさんがー」と嘆くあくまの姿もなかなか印象的。
勧善懲悪ではないところも宗教色があるのかしら…。
息子はこの本にすぐ興味を持ち、じっと聞いていましたが、
あくまが怖いようであくまが登場すると離れて聞いていました。
はっきりと「ひとごろしを平気でする」と文章であるので
インパクトがあったのかもしれません。
それでもリピートをせがんでくるので、
不思議な魅力があるのでしょうね。