クレメント・ハードは、マーガレット・ワイズ・ブラウンの絵を描いたことで知られています。
何と言っても、「ぼく にげちゃうよ」が印象深いです。
この作品は、1941年に発刊され日本では2005年に訳されたものですが、こうした古典的作品が昨今読めるようになってきているのは、本当に好ましいことだと思っています。
物語は、街角の交差点で、犬と猫が出会って追いかけっこが始まります。
それがずっと続くのですが、街中の人々を巻き込んでの大騒動が展開します。
そのスピード感といい、周りの人のアクションといい申し分なし。
実にアメリカンタッチの展開です。
またこの色合いも黄色が引き立つ鮮やかなもので、惹きつけられることでしょう。
原題の「The Merry Chase」を「とんでもない おいかけっこ」と江國 香織さんが訳されているのですが、若干違和感を覚えました。
とんでもないと言うと否定的な印象なのですが、この作品では、どちらかと言うと、いけない事なのだけと楽しさが溢れているというイメージではないかと思った次第です。