空想の世界で遊ぶことが大好きな娘のために買った絵本でしたが、私にとっての大切な1冊になりました。
これまで何百冊と読んできた絵本の中で、主人公に娘の姿や心情を見出したり、あるいは、お話と様々な思い出とを重ね合わせたりすることはよくありましたが、これほどまでに主人公と自分自身を一体化させて読んだ経験は1度もありませんでした。
ちょっといじわるな「わたし」(おねえちゃん)と、いたずらだけど、やさしい「おとうと」。きょうだいの何とも言えない温かい関係が、子どもの頃の気持ちを呼び覚ましてくれ、本当にあの頃の空気にふわっと包まれているような感覚になります。さっきおねえちゃんに泣かされたばかりの「おとうと」なのに、「おやつもってきてあげたよ。」と、「わたしのおうち」にやってきて、おねえちゃんもまた、何もなかったように、「どうぞおはいりください」と弟を温かく迎えてあげる場面。なんだかじんときます。
私もかなり威張りんぼうのおねえちゃん(!)でしたが、この絵本を読んで、弟がいてくれて本当によかったな、と心から思いました。弟も、今では、親思いの孝行息子に、そして、子どもの気持ちを大事にするやさしいお父さんになりました! 本の中の「わたし」と「おとうと」は、ずっと子どものままでいられていいな、とちょっぴりうらやましくなりましたが(子どもの頃に再び戻って、小さな弟に会いたくなりました!!)、これかも、弟とはずっと仲の良い姉弟でいたいと願っています。
娘の「おうち」は、ダイニングテーブルの下。重たい椅子を全部動かして、カーペットの上に風呂敷を広げ、おままごとの道具を運んできては、自分だけの空間を楽しんでいます。ぬいぐるみの「おとうと」や「いもうと」が、「わたしのおうち」を訪ねてくれるお客さま。この絵本を読んでからは、ますますテーブルの下で過ごす時間が長くなったようです! 今度は、娘といっしょにダンボールの家も作ってみたいな、と思っています。