少し前に読んだ『ルリユールおじさん』が素敵だったので、
なにも考えず、その絵本と同じ、いせさんの絵本だから、という理由で
読みました。ずっしりきました。
阪神淡路大震災を扱っている絵本だったのですね。
娘には、いせさんの絵本だとは話していなかったのですが、置いて
あるのをみつけて、「これってアカシアの木の人と同じ人が描いてる?」
と、訊くのです。鋭いなあ。
でもって、この絵本、娘にはよくわからないのではないかなあとも
思いましたし、わかったとしても重いだろうなあとも思いながら読みました。
やはりなにか、娘の心に響くものがあったようです。
阪神淡路大震災を扱っているとはいえ、娘の中では昨年の東日本大震災
とつながってしまったようです。
読んだ後、しんみりと「絵本作ってあげるから」と(すぐ絵本を作る
娘です)。ほんの2ページほどの絵本は、津波でいなくなってしまった
人が、いつもそばにいるよ、と読み手に語りかけてくれるものでした。
(娘は、いや、娘でなくとも、誰にとっても、だとは思いますが、あの
津波がとても強烈な印象を残してしまったので、ことあるごとに「津波
がきちゃったら」と口にするのです)
もしかしたら、あの震災は(そしてきっとこの阪神淡路大震災も)、
たくさんの、まだまだ大人にならなくていい小さな子ども達の成長を
ずいぶんはやめることになってしまったのかもしれないなあと
思いました。