ある日、ととさんのお腹が痛くなり、お寺の和尚さんに相談に行きました。
「かかさん かかさん、はらが いたくて たまらん。どうしたら いいかのう」
「ととさん ととさん、おてらの おしょうさまに きいてみなさると いい」
「おしょうさま おしょうさま、はらが いたくてたまらん。どうしましょうかのう」
「ととさん ととさん、そりゃなあ、はらのなかに むしがおるせいじゃ。かえるを のむと いいぞ」
私もあやちゃんも和尚さんの言葉にびっくりしましたが、ととさんは教わった通りにかえるをぺろっと飲み込みました。
お腹の痛みはおさまりますが、今度はかえるが腹の中を歩くのが気持ち悪くてたまらなくなります。
そんなこんなで、ととさんは次々と色々なものを飲み込むのです。
最後には鬼まで飲み込んでしまい、鬼のあとは何を飲み込めばいいの?って思ったら、和尚さんは手に豆をひとつかみにぎって、ととさんの口の中へ「おにはー そとー」と言って豆を投げ入れました。
鬼は豆がいっぱいふってきたので、びっくりして「こいつは せつぶんの まめだ。いたい、いたい たすけてくれぇ」と叫んで、ととさんのしりの穴から出て行きました。
無茶苦茶なお話で、ありえないことが次々と起こるのが、とても面白いです。
言葉の繰り返しのテンポもよく「かかさんやぁ」「おしょうさまに ききなされ」と私が読む度に、大笑いします。
絵本を読んだあとで、表紙を見るとなるほどと思います。
和尚さんの「○○を飲むといいぞ」と言う時のジェスチャーもお見逃しなく!
楽しい節分の絵本です。