2007年の作品。
和歌山県で語り継がれていた昔話を再話したものとありましたが、私の良く知っている昔話を忠実に再現しています。
昔話というのは、それだけの年月を経てもなお、伝承されてきたものですから、良く出来ているに決まっています。
人々に諭したり、楽しませたりと色んな作品がありますが、どれも子供に読み聞かせしたいものばかりです。
物語は、
「むかし
ある大きな古い家に、
ねずみのふうふが
すんでいました」
というくだりで始まります。
注意して見ると、壁の隅からねずみのふうふが顔を覗かせているのが、とてもキュート。
この作品が良いのは、何と言っても絵。
描いた金井田英津子さんは、版画作品がメインのようで、この絵本の中にも所々版画が登場します。
気にいったのは、版画よりもその絵。
モノトーンを基調に、赤い部分は暗い赤を使用し、黄色い部分を黄色で色付けしているのですが、実に効果的な配色です。
決して明るい色合いではないのですが、淡い色で昼と夜を見事に描ききっていると思います。
「ねずみのよめいり」の絵本は数多くありますが、この絵は一見の価値ありと思います。
昔話の読み聞かせをしたい時には、是非オススメします。