福音館書店の「みつけよう かがく」シリーズの一冊。
絵のスティーブ・ジェンキンズは、2004年に「こんなしっぽで なにするの」でコールデコット賞オナー賞を受賞しています。
他にも、「どうぶつ いちばん だあれ」等の科学の絵本で知られています。
分かりやすい昆虫の例からスタートします。
最初の問いは、「それじゃあ、テントウムシは 昆虫?」
体の外に殻があるから昆虫という定義は、カニ、エビ、サソリとかに当てはまらないので不可。
段々掘り下げて、足が6本、体が3つに分かれるのが昆虫と定義しているのですが、こうして考えると実に分かりやすいです。
長男が、中学受験の時に、昆虫の体の部分の名前とかを覚えるような授業がありましたが、よほどこの絵本の方がためになります。
次に「じゃあ、クモは どうだろう。クモは、昆虫だろうか?」という問いがありますが、ここまで読み進めてくると、結論はたやすく出てくるはず。
昆虫の口の形、足の形とかにも注目して比べるページもあって、昆虫好きにはたまらない絵本です。
最後に、虫嫌いのお母さんのための解説まである、手の込んだつくりです。
訳者の阿部健一氏によると、この絵本は良くできた昆虫分類学の本だそうで、成る程、知らず知らずのうちに、分類していたことに気付きます。
絵は貼り絵でできていて、昆虫のポイントが良く分かるもの。
節の区分が貼り絵にすることによって、明確になっているのは、狙ったからだと思います。
素晴らしい科学の絵本です。
昆虫好きだけでなく、多くの子供に読み聞かせをオススメします。