1月1日に自分が生まれた年の1セント玉を拾うと、
三つの願いが叶うというジンクス、初めて知りました。
アメリカのジンクスなのでしょうか?
三つのお願いというと、
「アラジンの魔法のランプ」みたいに空を飛ぶ!なんて非日常的なお願いや、
お金!なんて現実的なお願いになってしまいそうだけれど
この物語の主人公の女の子、ゼノビアが迷った末に願ったのは、
とてもささやかで、でも何より大切なことでした。
ストーリーは奇をてらわず、ごくシンプル、
結末も予想できるものなのですが
ゼノビアの語り口調の文章には、
揺れ動く子どもらしい感情が瑞々しく表現されていて、
物語の世界にぐんぐん引き込まれていきました。
ルシール・クリフトンさんが詩人だというのにも納得。
はたこうしろうさんの絵も
登場人物の息づかいが伝わるようでぴったりです。
「どんぴしゃり。お願いがかなった。」というフレーズが
とても印象的。
お願いごとに違うニュアンスで使われていて、
最後のお願いで、ふりむくゼノビアの場面ではグッときます。
また、なにをお願いしようかゼノビアに相談されたママが
諭すように話した言葉がかっこよかった。
私だったら、こんな風には言えないなぁ。
レビューを拝見したら、4年生の教科書に載っているのですね!
ただ、寒い冬、暖かいおうちで親子でゆっくり読めたら、もっとよさを味わえるのではないでしょうか。
小学生位のお子さんにおすすめです。