我が家の息子達は、いわゆる「世界の昔話」の絵本をあまり好まず、
私もあまり読まずにきてしまいました。
でも、私が読もうと借りてきたこの絵本に、夢中になったのです。
絵と物語の強い力・・・いえ、これも魔神の魔法でしょうか?
エロール・ル・カインさんのエキゾチックで緻密な絵の引力がすごいです。
美しい蔓草模様(アラベスクと言うのですね)、陰影のある深い色彩、ちょっと怖いような表情の人や魔神・・・。
千夜一夜物語の世界にぐーっと引き込まれます。
文章も独特の雰囲気があり、物語はなかなかの迫力。
息子達はとにかくじーっと耳を澄ませ、
読んでいる私も指輪の魔神に驚かされたり、
「黒いどれい」なんて言葉にドキッとしたりしながら、
ディズニーアニメのアラジンとは違う、どうなるのか分からない物語の行方に
ハラハラしっぱなしでした。
かなり長いお話で、読み聞かせは大変ですが(でも何度も読まされました)、
小学生位のお子さんから、大人の方まで、
日常を抜け出して、幻想的な世界へ浸ることができる作品としておすすめです。