2003年から刊行されたスミス先生シリーズの1冊。
「スミス先生とふしぎな本」は以前読んだ事があり、本の中の出来事が現実になる、その発想にワクワクした記憶があります。
今回の舞台は、水族館。
ここで、スミス先生が本を読むのですが、水族館で本を読む?って一寸違和感を感じます。
本に出てくる物語は、白鯨、人魚姫、宝島、ロビンソン漂流記、ガリバー旅行記、海底二万哩と、海に因んだものばかり。
確かに、水族館と繋がりは無い訳ではないものの、ここで読む必然性が感じられません。
物語は、いつものように、本の中の出来事が現実化し、みんなもその世界に登場することになるのですが、絵が余りにマンガチック過ぎの感があります。
特に、ロビンソン・クルーソーなんて、興醒めしてしまいました。
ネモ船長のノーチラス号なんて、それなりに雰囲気が醸し出されていたので、とても残念。
物語の発想は面白く、絵も場面によってはとても良いシーンもあるのですが、全体の流れとして考えると、纏まりに欠けたきらいがあります。
物語に登場する本が、小学生以上が対象なのに、絵のテイストが小学生未満というアンバランスさは、やはり気になるところです。
登場人物のことはさておき、物語として幼稚園児対象とした読み聞かせを楽しむのが良いのかも知れません。