小1で読んで、とても感動しました。
人というのは(エルフはだちょうだけど)、ここまで献身的、崇高、強靭になれるものなのだろうか、と思った記憶がある。 それ以来、エルフは生き方の手本の一つで、エルフのことを尊敬して生きてきました。そして、結果としてエルフを木にしてしまったライオンを心の底から憎んでいました。
あれから30年。
一昨日、連れ合いが買って来て、家に「かたあしだちょうのエルフ」があったので、娘に「かあさんに読んでもらったの?」と聞きました。そうしたら娘(5歳)が「そうだよ。でもね、ちょっと悲しいお話なんだよ」と教えてくれました。娘の感想に対しては、ぐっと堪えて「父さんも子どもの頃に読んだんだよ」とだけ言っておきました。
今は、この本に対する私の想いを押し付けることはせず、もう少し大きくなってから、この物語が彼女の心に何として残り、何が芽生えたのか、その一端を語り合いたいと思います。
でも、今の時点で、エルフの物語を「ちょっと悲しいお話なんだよ」と捉えてくれていると知ることができたのは、とてもうれしい。何気ない子どもの一言で、人としての成長を感じることができるのは、親の醍醐味ですね。
ところで、二度目にエルフを襲って木にする切っ掛けとなるのは、ライオンではなく、黒豹でしたね。30年ぶりに真実を確かめました。
では、一昨日までの私のライオンに対する強い憎しみは何だったのでしょうか。
それから、改めて見たら、エルフの絵って、版画なんですね。子どもの時のおどろおどろしい物語の記憶は、版画のタッチに拠るところが大きいのだな、と気がつきました。