キリンのことが大好きな娘、当時は6歳でしたが大事に選んできた一冊です。「大丈夫?ちょっと長そうだよ?」ときくと「心配しないで」とおっしゃるので。
物語のはじめに現れる、おんぼろの木造三階建ての空き家、FOR SAILと書かれたペン書きの水彩画、禿げた看板にはTHE GRUBBERって書いてある。昔お菓子屋だったっていうから、娘の興味は一気にヒートアップしたのでしょう。はたしてそれが、二階まで届く背の高い赤いドアをもったThe LWCC2という窓ふき会社に変身する。それだけでもう十分なくらい、キリンの登場が待ち遠しいのでしょう。
物語はその会社に現れる、キリンとペリカンとサル、それに朽ちたお菓子屋グラバーをいつも見上げていた少年ビリーが、町の大金持ちハンプシャー公爵の邸宅で大活躍するおはなし。ロアルド・ダールの本です、ハズレはありません。グッとくる最後の文章に、娘と一緒になって涙ぐむのでした。
この本をひらいてよ
そうすれば ぼくらはいつもいっしょだよ
君の友だちでいっぱいの本に
終わりなんてないんだよ
ぼくとキリンとペリカンに
控えめだけどクエンティン・ブレイクのユーモアタッチが目にやさしい。文章と絵のかけ合いが、6歳の娘にも快い印象を残したGood Bookでした。感謝