おはなし(素話)の勉強を始めてから、出会った本です。
子どもの頃に聞いたおなじみの昔話で、よく知っている!つもりのものでも、実はダイジェスト版だったり、結末を違う風にアレンジしてあるものもあることを、この本を通して知りました。
その代表が、「三びきの子ブタ」です。
1番目のこぶたはわらで作った家を、2番目のこぶたは木(この本ではハリエニシダ)で作った家を、いずれもオオカミに壊され、3匹目のこぶたの作ったレンガの家に逃げ込み、3匹でオオカミをやっつける…という展開が、子ども向けの絵本では多いですが、もともとはそういう話でなかったことが、この本を読むとわかります。
子どもは、この本に載っている「三びきの子ブタ」を聞くと、びっくりします。
えー、そういう話だったの?と。
でも、子どもは、この結末に大いに納得します。
子どもはこぶたの身になって聞きますから、悪者のオオカミが死んで、その先の平和が確約されたことで、とても安心するのですね。
大人が先回りしすぎて、何でも丸く収まるように話を変えてしまったものでは、こうした満足感は得られません。
“本物”の昔話には、子どもを心から楽しませる底力があるのですね。
ほか、「ジャックとマメの木」も、思った以上に長いお話(読み聞かせて30分くらい)でしたが、息子は最後まで、楽しそうに聞いていました。
私自身、おはなし会で、素話で聞いたこともありますが、長さを感じさせない、楽しく、聞きごたえのあるお話でした。
上の二つのお話のほか、わが子のお気に入りは、「ちいちゃい ちいちゃい」「ミアッカどん」「ものぐさジャック」「大男フィン・マカウル」です。
何度聞いても飽きないようです。