幼い頃読んだ、大好きなおとぎ話のお姫さまは、みんな美しい女の子でした。
それなのに、みにくいおひめさまって・・・と、思わず手にとりました。
王女・エスメラルダは世界一幸せな王女でした。
美しくないことをのぞけば。
王様は魔法で王女を美しくしようとおふれを出し
女手一つで5人の美しい娘を育てているグッドウィット夫人が名乗りを上げます。
三か月を三度、グッドウィット夫人の家で暮らした王女は・・・。
その人の内面が顔に現れるということは、良く言われている気もするのですが、
この美しいおとぎ話の世界では、そのメッセージがちっともお説教臭く感じず、胸を打ちます。
まさに魔法にかかったように夢中で読んでしまいました。
年長の息子は、王様が美しくなったエスメラルダを迎えに来た場面で、
嬉しくなっちゃったんでしょうね、立ちあがってジャンプしていました。
中川さんの挿絵の絵本はいくつか読んできましたが
この作品の挿絵が一番好きです。
少しずつ変わって行くエスメラルダの表情を印象的に描いていて
本当に美しく、みとれてしまいます。
ふとした瞬間に、このお話を思い出してしまいます。
叱っているとき、こんなに怒っていちゃ、眉間にしわが寄って怖い顔になっちゃうな、なんて。
1968年に出版されたものの、復刊なのですね。
子どものころに出会いたかったけど、今、出会えたこともまた良かったです。
美しさが気になり始める女の子はもちろん、
大人の方にも強くおすすめします!