「にじいろのさかな」シリーズの作者の新刊ということで、期待しながら立ち読み企画で読ませていただきました。
「つきがらす」ってなんだろう?と思って読み始めました。
つきがらすとは、月に向かって飛ぼうと試みた、勇気のあるちいさなワタリガラスのことでした。
お話は、昔の出来事を回想する年寄りカラスの語りで始まります。
この年寄りカラスがまだ若い頃に群れに居た小さなカラスが、その「つきがらす」なのでした・・・。
途中、周りのカラスたちの冷たさ、意地悪さにちょっと読むのがつらくなりました。
どこの世界にも、こんないじめ・からかいはあるんですね・・・
でも、このつきがらすには、勇気も度胸も人一倍ありました。
皆にからかい半分で言われたことに本気でチャレンジするなんて。
無謀な挑戦だったけれど、でも、それで周りの見る目が変わったんですもの。
勇気を持って立ち向かうこと、自分の能力の限界まで頑張ること、、、
それが、新たな扉を開いてくれるのですね。
いろいろ考えさせられました。
からすのお話ですから白・黒のシンプルな画面。そこに黄色(くちばしの色)が差し色になっていて、お話の内容ととてもよく合う素敵な挿絵です。
ぜひ実物の絵本も手にとって見たいと思います。