こどもって、不思議。
ぐりとぐらの絵本って、すごい。
「ぼくら」は野ねずみの「ぐりとぐら」だけど、
絵本を読んでいる「ぼくとわたし」なのかもしれない。
だって、
あの大きな大きな卵は、実はそんなに大きくないのかもしれない。
ぐりとぐらは野ねずみだから、
ほんとうはニワトリの卵くらいの大きさかもしれない。
今ならそんな事も考えてしまうけれど、
私がこの本に初めて出会った6歳の時は、
ぐりとぐらと同じくらい、大きな卵にわくわくして、
自分ならどうやって運ぶか、腕くみして考えて…。
できあがったカステラは、
ゾウだってライオンだってお腹いっぱい食べられるほど
うんとうんと大きいに違いないんだと信じていた。
大人になってこどもが産まれて、
必ず読んであげたいと思う絵本のひとつです。
その時は、私も幼い気持ちにかえって、
こどもとふたり、ぐりとぐらになって、
おいしい空想を楽しみたいと思っています。