友達になる“きっかけ”って、本当はごく普通の小さなことからなんだな、そんな大それた
ことをわざわざする必要もなく、自然体で始まる会話から始まることが出来るんだなと、
この絵本を読んで改めて思いました。
おおはしくんのカメの甲羅に自分の名前を書く感性が可愛いです。
それはきっと教科書や鉛筆、消しゴム、他に失くしては困るもの、どこかに行ってしまっても
他の人のものと区別がつくように書く感覚と同じだったのかな?
そのカメの甲羅の横に、“ぼく”の名前を書いてくれるなんて、おおはしくんにとっても
“ぼく”がとても大事な存在になったってことなんでしょうね。
おおはしくんのいつも全力投球なところ、だけれど、少しもおしつけがましくないのが、
素敵です。カメが結んでくれた2人の縁が、ずっと続くといいなぁ。
そして、これは余談ですが、何よりも読み手の私にとって斬新なのが、2人の会話が
関西弁なことで、関東出身の私にはどういうイントネーションで読んでいいのかちょっと
困りました。でも、生きた会話って感じで面白かったです。
この4月に入学という新しいスタートを切る息子にも、肩に力をいれることなく、
このようなよい出会いがあればいいなと切に願います。