1年生のクラスでこの絵本を読み聞かせした方がいらして、
息子と一緒に読み聞かせてもらいました。
読み手の方が初めに「みんなは心配で眠れないことある?」と質問。
驚いたのは、かなりの数の手が挙がったこと。
まだ1年生なのに?と思ったけれど、
読み聞かせてもらっているうちに
空想ばかりしていた子どもの頃、
夜になると、ほんの些細な心配が大きく膨み、
母のいる明るい部屋へ起き出したことを思い出しました。
夜、ビリーの想像場面の絵は2色で描かれ、暗く、独特の雰囲気。
ビリーの顔は悲壮感いっぱいです。
ビリーの両親が優しく慰めてくれても、ビリーの心は晴れません。
「しんぱいしすぎ」「こわいことなんかおこらない」
そんなことはビリーだって頭では分かっていて、
それでも心配だから困っているんですものね。
だから自分を「よわむし」だって思って、普段から自信をなくしている。
その点、おばあちゃんはすごい。
「よわむしなんかじゃないさ。おばあちゃんもこどものころは、しんぱいばっかりしていたもんだよ。」と、ビリーの心配に共感して受け止めた上で、
「しんぱいひきうけにんぎょう」という
気持ちを切り替えるきっかけをくれたからです。
これで解決かと思いきや、数日後、ビリーに新たな心配が。
心配を引き受けた「しんぱいひきうけにんぎょう」が心配ですって!
でも、今度はビリーが自分で考えた「ある方法」で解決しました。
繊細さは決して心配性という欠点だけにつながる訳ではなくて、
優しさって長点にもなるんですよね。
最後のビリーの笑顔、嬉しい暖かな読後感でした。
巻末に「しんぱいひきうけにんぎょう」こと
グアテマラのウォリー・ドールの解説もあり、楽しめます。
年長さん位から小学校中学年位のお子さんや
そのお父さん、お母さんにおすすめです!