小学校のおはなし会でセレクト。
始まる前に放送で本の題名をアナウンスしてもらったら、
図書室にいた高学年の子たちが、「シニガミ」という言葉に反応、
友だちと盛り上がっていました。
この題名に、この表紙、一気に死神の世界へ誘います。
言葉のイメージで、怖い魔物のような死神が出てくるのかと思いきや、
宮西ワールドのシニガミは、木や葉っぱにと変幻、つまり、
姿が特定できない造形なので、実に存在感があります。
そのシニガミが関わるのは、コブタとオオカミ。
コブタを食べようと思うも、病気の様子なので、看病して元気になったら食べようとするオオカミ。
ところが、看病中に情が移り・・・。
宮西ワールドお得意の、食う者・食われる者の構図です。
それだけでも、微妙な心理に心をつかまれるのですが、
そこに、不可思議な存在感のシニガミが絡みます。
おはなしを聞いていた子どもたちも、神妙な表情で、
そのドキドキ感が伝わってきました。
ラストでは、ほっと子どもたちの表情も緩みました。
やはり見事なラストです。