同じ作者の『きつねのホイティ』もよかったので、こちらも読んでみました。南国らしい鮮やかな絵と、大らかで温かみのあるストーリーで、絵本の中に引き寄せられました。
舞台はスリランカのとある村。それまで傘の存在を知らなかったキリ・ママおじさんが町で色とりどりの傘に出合い、「なんてきれいで、べんりなものだろう」と買って帰ります。ところが、村に帰ってお店でコーヒーを飲んでいるうちに、かさは誰かに盗まれてしまいました。何度かさを買って帰っても、全部盗まれてしまったキリ・ママおじさんは、ある時、どろぼうを捕まえようと、作戦を立てます。
キリ・ママおじさんの大らかでやさしい行動が、やがて村の人たちに感謝されることになります。村にキレイな傘があちこちに開き、花が咲いたようになったシーンでは、とても幸せな気分に。「どろぼうがかさをぬすんでくれて、よかったなあ」というキリ・ママおじさんの言葉を聞いて、肩の力が抜けてとても楽しい気分になれました。
今度自分も傘を買う時は、キリ・ママおじさんが買ったような、とびきりきれいな色の傘にしようと思います。