成長の証を、振り返って懐かしみ、喜び、また前を向いて進む。
子育ては、そんな「ちょっぴり寂しくて、でも喜ばしい『おめでとう』の連続」なんだなぁと思います。
うちには、お気に入りのクマさんの靴下のかかとが擦り切れているのに、まだサヨナラできない8歳のお兄ちゃんがいます。
私が靴下を処分しようとすると、
「履かないけど、そばに置いておくんだ」と、息子は泣きそうになって、引き出しにしまい込んでいました。
体に馴染んだものを手放すのは、もう使えないと分かっていても寂しいよね、と思って、私もずっとそのままにしていました。
そんな折、息子と一緒に「おめでとうかいぎ」を読んでみました。
可愛いクマさんも好きだったけど、ゲームのお気に入りキャラクターの付いた靴下をかっこよく履けるお兄さんになったよね、と、改めて成長を分かち合う、素敵な時間になりました。息子も「クマさん、もういいも」ってボソッとつぶやいていたので、そろそろ卒業の予感です。
私自身、靴下を手放したくないと言われた時に、処分をためらったのは、小さくて可愛かった息子の思い出も手放してしまうような、そんな切ない気持ちになったからかもしれません。
でも、こうやって折に触れて大切に振り返ることができると、嬉しい気持ちで次に進めるものだなぁと思いました。
びっくりするようなスピードで成長して行く子供の姿を、愛おしく思い、その先の楽しみを願う、そんな前向きな気持ちを元気づけてくれるようなお話でした。