今にも目の前のねずみを、食ってしまいそうな勢いあるねこの絵。
どんな展開があるのだろうと、のっけからドキドキさせてくれます。
ねこの恐さを知らないこねずみたち。
そんなこねずみが、ねこに遭遇。
知らないから、ねこが現れても全然平気。
知らないってすごいです!
普通にはなして、普通に接しています。
(無防備って、恐いな〜)
ねこはいつ食ってやろうかと狙っているのに…
でも、子ども達の持つ優しさや無邪気さにかなうものはないようです。
ねこも根っからの悪?ではないみたいで、
こねずみたちの優しさにたじたじ。
ももをかかえて立ち去るねこの目の涙が印象的でした。
食う者VS食われる者。
しかし、必ずと言っていいほど、その関係は壊れてしまう。
それが、宮西達也ワールドです。
正直、私はちょっと違和感を覚えてしまうところもあるのですが…
でも、物語りの根底には、愛、優しさが普遍的にある絵本ばかりです。
本当はそうあってほしいという願いがあるのでしょうか。
今のこんな時代だからこそ、
こんな優しい人ばかりだったらいいのに。
世の中は、子ども達が変えていく!
なんて、いろいろ考えたり難癖をつけるのは大人だけ。
子どもには素直に楽しんでもらいたい。
こねずみたちとねこのやりとりが滑稽で、
それでいてほのぼのとさせてくれる絵本です。