落語絵本とあるものの、かつて聞いたことも無いタイトル。
それもそのはず、自作の新作落語と聞いて「へぇ〜!」となりました。
お話は、波にさらわれ浜辺に打ち上げられてしまったクラゲのくらのすけのお話です。
くらのすけの海デビューに、こんこんと言って聞かせる母さんクラゲ。
優しい愛情を感じます。
途中、ミカンの皮が降ってくるところは、あまりの意外性につい笑ってしまいました。
でも、そのミカンの皮をお母さんと間違えて、うとうと眠ってしまうなんて・・・くらのすけ、なんて可愛らしいのでしょう。
捕まえようとする男の子も見事、撃退!
自分の身も危ないのに、まずお母さん(ミカンの皮なんですが)を守らなきゃ!と必死に戦う姿にも感動しました。
どうなることかと思いましたが、最後は落語らしく、オチもしっかり落ちたところで、メデタシ、メデタシ。
楽しいお話に、大島妙子さんの優しい挿絵がマッチしていて、素敵な作品ですね。
海の中の賑やかな様子等、細かいところまで楽しめる1冊です。