子どもの頃、地域の貸出文庫にあったので繰り返し読んでいました。
かわいい絵ではないけれど、なぜか惹かれる絵でした。
文章がほとんどなく、オオカミの「け」というセリフが頻繁に出てくる。「け」ってどういうことだろうと不思議に思っていました。
それから今までに、時々、このアーティスティックな絵本は時々話題になっていた気がします。
しかし、購入する機会はずっとありませんでした。
ところが最近になって無性にこの本を読みたくなりました。でも見かけない…と思っていたら、最近、著名人がこの絵本を紹介した影響か、書店に平積みにしてありました!
オオカミの「け」以外に文章なんてあったかしらという印象だったのですが、最初の場面で丁寧にこのオオカミくんについての説明が書かれています。
意外でした。でもそのあたりが子どもの読者に対する配慮なのでしょうね。
終始オオカミが「け」と言っているだけのような印象だったこの本。だけど気になる絵本。
子どもの頃にそのような体験をしていて良かったなあと思います。
そういう子どもが、青年期に差し掛かり、ふと再びこの絵本を手に取ってみる。すると、ナンセンスだと思っていたこの絵本の意味に気付く。
そして、この絵本から温かさと清々しさを感じられるようになった時に、大人として成熟してきたことも知るでしょう。
少し遅ればせながら、小5の娘にもこの本を勧めてみました。
「わっ、このウサギの首長くて怖い」などと言いながら一通り読んでいたので、「遅くはなかったな」と安心しました。