こちらのレビューを見て、図書館でさがし読みました。
世界恐慌時代のアメリカのお話。
父親が失職したのか、町でベーカリーをしているジムおじさんに預けられたリディア。
店の手伝いをしつつ学校にも通わせてもらっているリディア。
でも、ジムおじさんにはいつも笑顔がありません。
家にいた頃から、花を育てる楽しさを知っていたリディアは…。
生活が困窮している状態では、だれも花を飾ったり絵を鑑賞しようなんて思いもおよびません。
ジムおじさんの不機嫌な顔は、世を憂いてのことと思います。
子どもなりに、親には心配をかけぬよう、おじさんには笑顔を取り戻させようとする様子が、手紙の形をとって読者に伝わってきます。
一見快活でポジテイブな性格に見えるリディアは、これまで花を愛することをおばあちゃんからおそわり、繊細な心配りを身につけてきたように思われます。
リディアの秘密の計画が、着々と進みおじさんの家の様子が変わっていくところが、素敵です。
彼女の存在が、花と共に周囲の人を明るくしていく終盤が読んでいて
心地よかった。
プラットホームのシーンは、涙ぐんでしまいました。
オーチス(猫)が、「こういうことになったか」と、見返し(後ろ)を見て、「良かった良かった」と息子。
子どもの明るさと、育てる人の懸命さを裏切らない植物は、大人の心に灯をよみがえらせるパワーがあるんだと改めて思いました。